本日は立春です。1年の中で新しいことをはじめるといい日と言われておりますので、明るい春の訪れと平穏無事に過ごせることを願いつつ、今日からコラムを発信していきたいと思います。随時更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、弁護士法人アーヴェルは離婚、相続、遺言書作成、交通事故事件、労働事件、不動産関係事件などの民事事件から刑事事件の弁護まで幅広く取り組ませていただいていますが、こうした事件を解決する一方で、「リーガルカウンセリング」に取り組み、個人から法人にいたるまで、さまざまな方のご相談に取り組まさせていただいております。
私たちの提唱する「リーガルカウンセリング」とは、一般の法律相談とは3つの大きな違いがあります。
第1に、一般の法律相談は問題が起きてからその対処を考えるものであるのに対し、リーガルカウンセリングは事前に防止する方法を知ることにあります。
当事者は問題を起こしてしまってからでは、相当な心理的不安とストレスをお持ちになることになります。リーガルカウンセリングは、問題が起きる前に問題性に気付いていただくためにあります。
特に経営者の方は、売り上げが伸びない、顧客開拓ができない、経費がかさむ、経営理念がなく方針も決まらない……など、多くの経営の悩みを持っています。しかし、経営者の方が従業員などに相談することができず、一人で悩んでおられるところがあります。
弁護士は、会社の起業、契約書の作成、倒産などの法的問題を通して、予防法務から紛争の解決にいたるまで会社の一生に関わる立場にあります。たとえ法律に抵触することもなく、事件にはいたらない問題でも、経営に関するリスクを未然に防ぐ強みを持って、相談に乗らせていただくことができます。必死に仕事をしていらっしゃる経営者の方に、些細なことでも気軽に相談していただき、少しでも不安や苦労を和らげて頂ければと考えております。どんな些細なことでも話すこと、それも法律家である弁護士に相談することで、考えを整理できるだけでなく法的な解決方法を得て、経営に専念することができます。
第2に、一般の法律相談の場合には、問題が起きてからの相談ですので、当然相談者のお話いただく内容も法律的問題に限られます。
しかしリーガルカウンセリングでお話いただく内容は、法律問題のみには限られないということにあります。リーガルカウンセリングにおいても、これまでのご相談内容は、どうしても法律的な問題に偏りがちにはなっていますが、未然に防ぐという意味合いからも、当然幅を広げた相談内容になっています。「法律では」解決できないお悩みやご相談も、リーガルカウンセリングでは気楽にお話いただけます。
人間関係が希薄化している現代社会にあって、漠然とした不安感や、自分がなぜ困っているかについてお話をいただき、自分の悩みを分析・認識し、自己解決に導く場を提供することこそ、他ならぬリーガルカウンセリングの理想と考えているからです。
第3に、リーガルカウンセリングの目的は、法律的な問題を抱え、精神的に落ち着かない、気持ちがすっきりせず、不安でいらっしゃる方が、精神的に解放されることにあるということです。
欧米では、経営者が何万ドルもするようなカウンセラーを専属でつけて、定期的なカウンセリングを受け、ストレスからの解放と新たな発想を生み出しています。
リーガルカウンセリングでは、心理カウンセリングに近い視点も持ち、「法律では」解決できないお悩み、ご相談についても「守秘義務ある弁護士」に「相談者がお話いただくこと、聞くこと」で解決しようとするものです。リーガルカウンセリングでは、相談者のご事情を十分踏まえさせていただいた上で、
①法的にどのように解決ができるのか
②法的問題に巻き込まれた方が直面するであろう心の問題について、どう考えると楽になることができるのか、といった2つの目的をもって、お話させていただいております。
リーガルカウンセリングが通常の法律相談とは異なる3つのポイントをご説明させていただきました。そして、リーガルカウンセリングの2つの目的についてお話をさせていただきます。
法的にどのように解決ができるのかといった視点で言えば、まわりに知り合いがいるとはいえ、何でも相談できるわけではありませんし、知り合いだからこそ、自身が問題を抱えていることを知られたくないという理由から、相談できないこともあります。
経営者は社員に相談できることもありますが、別面、株式の問題や経営、問題社員の対応など、経営者には、社員には相談できない悩みを持ち、孤独な側面があります。大企業の場合は顧問弁護士を抱えていて、些細なことでも常に顧問弁護士に相談しています。
リーガルカウンセリングは、こうした大企業の顧問弁護士に代わるものとして、経営者の皆様が抱えておられる不安、悩みを解消し、経営改革に邁進するための心強い味方となることを目的としています。1回話しただけでは解決しない場合もあるかとは思うのですが、そうした場合に、たとえ定期的に受けられても、顧問弁護士を抱えるよりはずっと気楽なかたちで、ご相談いただけるものと思っております。
リーガルカウンセリングの2番目のポイントである、法的問題に巻き込まれた方が直面するであろう心の問題の解決について言えば、法律問題は一般の人には何がおこっているのか、何が問題点で、どのように解決できるのかわかりません。そこで、法律の専門家である弁護士として、そのような方に、どこが問題点であり、どのように法的に解決できるのか見通しを持っていただくことによって、少しでも気持ちは楽になるものと思っています。
以前、訴状が届いたと言って相談に来られた経営者の方は、夜も眠れず、神経痛にまでなっていらっしゃいました。しかし、リーガルカウンセリングによって、「要はこうすればいいんですね」と理解いただき、「気持ちが楽になった」と、大変お喜びいただいたことがあります。それはとりもなおさず、私自身の喜びにもなっています。リーガルカウンセリングの意味もここにあると思っています。
このように、リーガルカウンセリングは、相談者の方に、困っていることを気軽に相談できるといった機会を提供させていただくとともに、法律問題だけではなく、気持ちとしても楽になっていただくことを目的にしております。これによって、相談者の方に悩みから解放され、充実した生活を送っていただきたいと考えております。
次回からは、具体的な一般的な法律相談とその回答、リーガルカウンセリングの視点を入れるとどういう回答になるか、をご説明していきたいと思います。